祖母は病室で眠っていた。
母の呼びかけの声にもあまり反応がない様子。
父の時同様、点滴や何やらのチューブがたくさんつけられており、
それらを不意に外さないよう、グローブのようなものをはめられている。
命に別状はないのだろうけど、やはりこのような光景は見ていて少し辛かった。
父が入院している間、実家は母ひとりで家のことをこなそうとしていた。
出張を無理に変わってもらい、
嫁さんと2日間いろいろフォローしたつもりだった。
少し落ち着いただろうと神戸に帰ったその晩に、
母が少し目を離した間に風呂場で転倒。脳挫傷だった。
認知症も進行するらしく、家族を認識できるかどうか…という状態。
もう少し帰る時間を遅らせていれば、防げたんじゃないか。
過去は塗り替えられないのはわかっている。結果は変えられない。
でもそれを消化できない自分がいる。
そんなこともあって、先週は体調を崩したり、落ち込んだり。
そして気持ちの整理をするために。
現実をきちんと見ておこうと病院に来たのだった。
すっかりやせ細った腕に手を伸ばして、さすってみる。
耳は遠くて聞こえなくても、感覚は届くかもしれない。
見えるところに花束を置いてみよう。
目を覚ましたときに少しでも寂しくないように。
もうウチには帰ってこれないかもしれないけど、
早く帰っておいでと声をかけてみる。
望んだ色にならないかもしれないけど、未来は塗り替えられる。
そのためには踏み出す1歩がやっぱり大事なんだと思う。
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