1月末、ある女の子からメールをもらった。
今月いっぱいで会社を辞めますという内容だった。
「いろいろお世話になりました。
ありがとうございました。」
昼休みでフロアが節電消灯されている中、僕は返信を打っていた。
最近は少し開発をさせてもらっているんですと言いながら、
微笑んだ顔を思い出して、涙がこぼれた。
機能を果たしていないOJTや教育制度は残酷だと思う。
プログラム未経験者をドキュメント書きやテスターへ追いやり、
即戦力にならないからといって、チャンスを与えない。
スケジュールが過密だから先輩は教える時間を作らないし、
彼らの仕事を奪ってまで進めようとする。
彼女はそんな被害者の一人なのかもしれない。
僕がリーダーを務めるチームには同じ境遇の子が2人いる。
彼女たちが居場所を見つけるためのスキルを身につけさせることが、
自身に与えられたミッションだと感じている。
一人は自分の力で壁を突き破ろうとしている。
僕は彼女のためにできるだけ時間を割いて、
すべての技術を伝承するかのようにレクチャーしている。
生まれ持っての好奇心と行動力でどうか
僕より素晴らしいエンジニアになってほしい。
もう一人は壁の前でうずくまっている。
彼女は「楽しい方向」にしか向かないのかもしれない。
その前に苦難があれば避けてしまう。
「飛び越えるのに必要なのはスキルじゃない。
一歩踏み出す勇気なんだよ。」
今はその言葉さえ届かなくなってしまったような気がする。
以前、上司に悩みを打ち明けた時、
人が辞めていくのは「淘汰」だと言われた。
強いチームを形成する上では正論だと思うし、納得はできる。
でも、こうして涙がこぼれるのは
人の間に生まれる「絆」がそうさせているんだろうな。
だからこそ僕はもがいているんだなって。見捨てたくないと。
「どんな時も前向きな気持を忘れず。でも力みすぎず。
スマイルを忘れなければ、きっと全ては良い方向へ向かうはず!
…そう信じてます。」
冒頭の彼女へ自分が送った言葉なのに、
何故か今自分自身が励まされているような気がする。
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