「…どうして不公平って生まれるんだろうね。」
散髪屋のマスターが思わず口にした言葉に、
涙がこぼれそうになった。
4年間の不妊治療は本当に辛かった。
このまま続けて、本当に授かるのかという不安。
嫁さんにかけてしまっている負担。
医者から回数をこなすしかないと言われたときの絶望感。
経験した夫婦しかわからない苦しみ。
不公平はないと信じたいけど、事実はその存在を語っている。
僕らは偶然にも授かることができた。
でも、お葬式で顔を合わせた親戚のお姉さんも
マスターの友達も不妊で悩んでいる。
みんな子どもが大好きで、優しい人ばかり…それなのに。
そんな思いが、僕の胸を締め付けた。
帰り道。秋晴れの空が嫌味なぐらい清々しかった。
チクチョウ!
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