2012/10/12

世界を閉じたくなるようなつらい日も…

帰り道さんざん迷ったあげく、電話することにした。
こんな気持ちを。あと1週間も抱え込む自信は僕にはなかった。


3ヶ月ぶりの上司との面談。
評価が終わり、切り出されたのが、
部下が教育担当者を変えてほしいと言っており、
いま代えるべきかどうかを悩んでいるという話だった。

初耳だった。

理由を聞くと「新鮮みがほしいから」なのだそうだ。
いろんな人の指導を受けたい。
上司はそんなふうに受け取ったそうだ。

教育担当者である僕には
「厳しい指導が嫌で逃げたいだけ」という
ただのワガママにしか聞こえなかった。

厳しく指導しているのには理由があった。
・最初の1年間は通常通りにやっていたけれど、
 自身で設定した課題もこなさず、いつまでも成長が見込めないこと。
・本人がSEとして成長する姿勢が無いことを上層部に知られてしまい、
 「居場所」が無くなる恐れがあるため。
・「居場所」を作るためには本人の仕事に対する意識を変える必要があったため。

この3ヶ月間、それに耐えて頑張って成果出せたね。
良くやったねと、前日の評価面談の時に褒めちぎった矢先だったのに…。

3ヶ月前に「今の職場にいたい」という本人との意思確認をした上で、
上記を伝え、あえて「厳しく指導していく」と言っていたにもかかわらず、
1ヶ月も経たないうちに音をあげて、
上司が同席する飲み会でぼやいてたんだと思うと、
あの子のためにと思ってやってきたことが全て虚しく思えてしまう。

また、安易にそれに反応し、
「どうしよう」と言っている上司の姿勢もどうなのかなと思う。
7〜8月頃にそのような問題が発生しているのに、2ヶ月間放置し。
当事者への事実確認も行わず、関係の改善も図ろうとせず。
そしてその当事者が今目の前にいるのに、未だ解決を図ろうとしない姿勢。

「え、ビビってるんですか?」と思わず言いたくなる。

問題に真っ向からぶつかっていけない上司は信頼できない。
そんな人のもとで、自分は今後仕事を全うできるのか。そんな不安を感じた。


人と人とのつきあいは、時には真っ向から向かい合うことが大切だ。
そうしなければ真の信頼は生まれないし、真のチームワークも生まれない。
人は感情で動く生き物だから。

今の会社全体に感じる印象としては、お互いが真っ向から向き合っていない。
「新鮮み」や「争いを避ける」ことで、肩すかしをしている。
だからこそ上っ面だけのチームワークが形成され、強いチームが作れない。
ミッションが達成できない。


電話の相手は担当者を変えてほしいと切り出した部下。
感情的になっている自分を抑えつつ、上司からこのような話があったこと。
君の発言で教育担当者の検討が上層部で行われていること。
結果、どのようになっても自らの発言で起こしたことなので、
責任は持ってほしいということを伝えた。

本人もそこまで問題が大きくなっているとは認識してないようだったが、
話が進んでいるのは事実だ。
「どうする?」と聞いたときに、
「上司にまかせるしか…」というコメントを聞いたとき、
この子は自分の言葉に責任を持てない。大人になりきれてないんだなと思った。


来週までに上司が最終判断を行うそうだ。
僕には「全責任を持って彼女を育てる」という強い意志、
現在の庶務業務のIT化を通じてSEとして成長し、
新たな商流を生み出してほしいという目標があるが、
あえて口に出さなかった。

上司がどんなジャッジをするのか見てみたいし、
結果次第では転職も考えた方がいいのかな。と思った。


疲れ切った体をベッドに横たえる。
もう何も考えたくない…

不意にこんなフレーズが頭をよぎる。
「世界を閉じたくなるような辛い日も…」

『夢をかなえるゾウ』の終盤に出てくる
ガネーシャの言葉だったなぁと本棚から取り出す。

「ぎょうさん笑うて、バカみたいに泣いて、
 死ぬほど幸福な日も、笑えるぐらい不幸な日も、
 世界を閉じたくなるような辛い日も、
 涙が出るような美しい景色も
 全部全部、自分らが味わえるために
 この世界を創ったんやからな」

「世界を楽しんでや、心ゆくまで。」

向き合え。戦え。

次のステップへ。 本田選手が何度もそう唱えていたのは、 自分を奮い立たせるための言葉。 とことん追い込んで見えるセカイが あるんだろうな。